ファイルサイズ、行数、メモリ、操作性

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2008年12月21日 更新

ファイルサイズ、行数、メモリ、操作性

テキストエディターの主たる目的はテキストファイルを編集することです。編集にはいろいろありますが、基本はキーボード操作による文字の入力と削除です。サクサクとキー操作ができれば、そのテキストエディターは最小限の役割を果たすことができるでしょう。

この操作性は次の4項目によって決まるといってよいでしょう。

  1. ファイルサイズ
  2. ファイル行数
  3. テキストエディターの性能
  4. 使用パソコンの性能

4.のパソコン性能は、主に、CPU、メモリ、ハードディスクの個別の容量や性能が総合して生み出すものです。一般的には、新しいものほど性能が良くなります。時代と共にパソコン性能は向上していきます。今の時代の標準的なパソコンを使用することを念頭におきます。

何年か前の古いパソコンならば、出来のよいテキストエディターでも大きいファイルサイズや行数のテキストファイルを編集するのはつらくなります。逆に、超高性能のパソコンを使用すれば、出来の悪いテキストエディターでもかなり大きいファイルサイズや行数のテキストファイルを編集することができるかもしれません。しかし、ここでは、標準的な性能のパソコンを使用することを前提にします。何年も前の古いパソコンでも動作するかどうか、あるいは超高性能のパソコンを使えば我慢できる程度には動作するとかしないとかは問題にしません。

ここでは、ファイルサイズ、行数、テキストエディターの性能について取り上げます。

どんなテキストエディターでも1MB、1万行程度の小さいテキストファイルならば、サクサクと操作できます。まともなテキストエディターならば、100MB、100万行ぐらいはサクサクと操作できるはずです。しかし、500MB、500万行になると、サクサクと操作できるテキストエディターは限られてきます。さらに1GB、1000万行を超えるテキストになると、扱うことができるテキストエディターは数個です。

サクサクとキー操作できるファイルサイズとファイル行数に注目して、テキストエディターをいくつかに分類してみます。

サクサク感は人によって異なることかもしれませんので、「改行テスト」で判断します。改行テストは、テキストファイルをテキストエディターに読み込んで、ファイルの先頭行で[Enter]キーを押してから、その改行結果がテキスト表示に現れるまでにかかる時間で判断します。この時間を改行時間と呼ぶことにします。改行時間が短いほどキー操作性が良いということにします。

改行時間が短いこと(ほとんど一瞬間)とサクサク感は同じことではありませんが、サクサク感に大きく影響する一因ということはいえます。読み込んだテキストファイルの改行時間が10秒以上かかるようでは、そのファイルサイズや行数のテキストファイルを扱うにはそのテキストエディターでは荷が重いということになります。この10秒という時間に根拠はありません。このくらいならば我慢ができるかもしれないという程度のことです。

1GBを超えるテキストファイルを扱うことができるテキストエディターは鈴川エディタの他に四つあります。(あるいは、もっとあるかもしれません。ありましたら、お知らせ願います。)仮に、アルファベット順にE、H、M、Pと呼ぶことにします。それぞれについて、下表に示します。

使用パソコンはパソコンBです。

ファイルサイズと行数を調べる対象ファイルはすべて鈴川エディタで作成したものです。他のテキストエディターでは自分自身の性能を調べるテキストファイルを作成することはできません。

下表の分類はあくまでも扱うことができるファイルサイズと行数だけに限っています。テキストエディターの良し悪しは、これだけで決まるものではないことはいうまでもありません。

ファイルサイズ
行数
テキストエディター
300GB以上
2,000億行以上
鈴川エディタだけですが、ファイルサイズや行数とは無関係に改行時間は一瞬間です。
自ら謳う性能
248GB以上
21億行
E
このテキストエディターの改行時間は行数は問題にせずファイルサイズだけでテストすると、4GB → 5秒、10GB → 20秒、20GB → 3分、100GB → 16分でした。サイズと行数でテストすると、(2.1GB、1億行) → 25秒、(4.3GB、2億行) → 4分、(11GB、5億行) → 14分、(22GB、10億行) → 25分、(44GB、20億行) → 53分、という結果でした。これで、自ら謳うファイルサイズと行数を編集可能というにはだいぶ無理があります。後者の改行テストでは、改行時間は読み込み時間より長くかかります。
タスクマネージャによると、使用メモリは460MB前後、物理メモリは92~98%、CPU使用率は10%前後でした。
自ら謳う性能
2GB
20億行
M
日本の代表的なテキストエディターです。
6億行の改行だけのテキストファイル(1.2GB)ではメモリ不足になります。5億行の改行だけのテキストファイル(1GB)では、改行時間は一瞬間です。サクサクと操作できます。このとき使用メモリは1430MBでした。メモリを3GBに増量すれば、自ら謳うファイルサイズと行数のテキストファイルを編集することができるかもしれません。
4GB
1,000万行
H
日本の代表的なテキストエディターです。
扱うことができるファイルサイズはかなり大きいのですが、扱うことができる行数がかなり小さいのが特徴です。ファイルサイズが4GBに近くなると、改行時間は数秒かかります。2GB以下ならば、1,000万行近くでもサクサクと操作できます。
1.6GB
8,000万行
P
左の性能は、メモリいっぱいまで読みこんだ場合です。もう少しメモリを増量するか、ファイルサイズと行数を減らすと、サクサクと操作できるようです。ヘルプに関しては、日本のテキストエディターでは一番立派です。
500MB ~ 1GB
数千万行
数個あります。
このクラスはまともなテキストエディターといえます。サクサクとキー操作できるのですが、メモリ不足で扱うことができるファイルサイズと行数がこの程度にとどまっています。
100 ~ 500MB
100万行 ~数千万行
ほとんどのテキストエディターはこのクラスです。
開くファイルサイズよりだいぶ大きいメモリを使うのが特徴です。100MBのファイルで250MBぐらいメモリを消費するものがあります。このクラスには注目すべきテキストエディターもいくつかあります。玉石混淆です。
100MB以下
100万行以下
ファイルサイズと行数に限る評価ですが、まともなテキストエディターとはいえません。


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